
KONISHIのコーポレートミッションである、「明日を、動かす。」
この言葉に想いを乗せて、未来に向けて挑戦している社員一人ひとりを紹介する企画が、「明日を、動かす人たち」です。
今回紹介するのは、厚木営業所主任の小泉雄太。2014年に中途採用で入社してから、製造部品の量産や開発案件に営業として携わると同時に、部下の人材教育にも熱を注ぐ。そんな彼は過去、現在のステージでどんなことを感じ、どのように仕事に向き合い、未来にどんな展望を抱いているのか……小泉雄太の等身大のストーリーをぜひご覧ください。
2つの「ありがとう」から学んだ、営業として本当に大切なこと

営業の仕事の1番の醍醐味は、やはりお客様から感謝の言葉をいただけることです。2014年に入社してから今までたくさんの「ありがとう」をいただきましたが、中でも2つの「ありがとう」は記憶に深く残っていて、私を成長させてくれるきっかけにもなりました。
1つ目は、入社して3年目のとき。私がメインで担当していたお客様で、何十万個単位の部品トラブルが発生し、生産ラインを止めてしまうかもしれないという危機的状況に陥ったことがありました。今でこそ冷静に話せますが、当時の約2週間は寝る間も惜しんで対応し、手作業で不具合のある部品を選別したり、部品の修復を行ったりと、とにかく必死でした。結果、何とか生産ラインを止めることは免れ、お客様からも「最優先で動いてくれて本当にありがとう」と労いの言葉をかけていただきました。また、そのときにもう一つ忘れられないことがあって、対応に追われている中で、日を追うごとに自分と一緒に作業してくれるお客様が一人ずつ増えていったんです。その後、皆さんはそれぞれ違う拠点に異動されていますが、今でも連絡を取り合う仲になりました。もちろん部品トラブルがないことが大前提ではありますが、雨降って地固まるという言葉があるように、まさにトラブルをきっかけに信頼関係が深まった出来事です。
2つ目の「ありがとう」の記憶は、ある開発案件でのこと。お客様から部品の図面を【材料指定】でいただいていたのですが、その仕様ではお客様の希望するコストを大きく上回るという悩ましい状況でした。製造メーカーとの打ち合わせでもコストを削るのは厳しいことが濃厚でしたが、ちょうどその時期にある材料メーカーから新しい製品の紹介があったことをふと思い出したんです。仕様成分が近かったことからお客様へ提案し、試作、そして無事に採用することが決定し、納品開始までスムーズに進んでいきました。設計の方から「新しい材料の提案をしてもらえたおかげで販売まで漕ぎ付けた、ありがとう」と伝えていただいたことが今も心に残っています。
この2つの「ありがとう」から学んだことは、営業は物を売るだけではなくその後のアフターフォローも大事であること、普段からいろいろな方と情報交換をすることで自分がハブとなって人やモノを繋げること、お客様から言われたことだけではなく自分の頭で考えたり他のアイデアを組み合わせることで良いアプローチができることなどです。
決して順風満帆ではなかったキャリアが教えてくれたこと

営業職のキャリアが長い私ですが、ベアリング、樹脂製品、電装・光学部品などを扱う商社であるコニシ産業にたどり着いたのは、いろいろな巡り合わせがあったからでした。
幼少期から遡ると、父がバイクやオーディオを所有していた影響で、物が動いたり音が鳴ったりする原理にとても興味がある子供でした。小学生の頃におさがりでもらったラジカセは、音が鳴る仕組みを知りたくて分解してみたものの元に戻せなかったり(笑)。今は車いじりが大好きで、部品同士をしっかり繋がなければ動かないこと、正しく作業をすれば機械が応えて動いてくれることなど、その失敗や喜びの体験が心に蓄積しています。
しかし、機械が好きだったからその道の仕事を学ぶ……のではなく、大学では経営学を専攻したんです。理由としては、若くして活躍されている憧れの経営者の本を読んで、この分野を学べば彼が見えている世界を少しは知れると思ったこと。そして、飽き性な自分はエンジニアとして技術の勉強をこれから先もずっとできるとは考えられなかったこと、などです。
その後の進路は、リーマンショックの影響で経済にダメージが残っていた就職氷河期でもあったことから、数少ない採用枠のある飲食系の企業に滑り込んだのです。しかし、入社した最初の年は東日本大震災の影響を外食産業も大きく受け、売上が大幅に低下、そうなると人も会社もギクシャクして私自身も人間関係に悩むことに。結果、退職して別の小売業の店舗でアルバイトをしながら正社員へのステップアップを考えましたが、その会社も時代の影響を受け売上が伸び悩んだことで昇格も難しく、店長と相談し転職活動を始めることに。
このようにキャリアを振り返ると、決して順風満帆ではなかったのですが、その結果としてコニシ産業と出会うことができました。きっかけは転職エージェントに登録し、自動車業界を目指したこと。キャリアコンサルタントの方から商社も検討してみてはといただいたリストに「コニシ産業」があったので、調べてみると自分の好きな部品がいっぱいあることに惹かれて、面接を受けてみました。当時は営業はモノを売ることだけが仕事と思っていましたが、二次面接が終わった後に厚木営業所を案内してもらった際に、オフィスに機械部品がたくさんあるのを見て、扱いに詳しい方もいたことにとても驚きました。私が幼少期から好きだった機械などの部品を扱える場所に、紆余曲折しながら出会った感覚になり、入社を決意したのです。
現在も大好きな金属の削り部分ばかり勉強してしまい、後輩からは「ホント金属好きですよね」と言われることもありますが(笑)、営業として知識に偏りがあることを自覚しながらも、好きや得意も活かしてマルチに活躍できるよう成長していきたいです。
出会っていただいた方の想いを、恩として返す

現在は現場のプレイヤーとしてだけではなく、主任として後輩を指導する立場でもあります。その際に後輩に対して常に意識しているのは、仕事をいかに楽しんでできるか、達成感を得られるか、のびのびと働ける環境を作れるかです。
このような想いに至ったのは、入社間もない頃に出会った先輩の影響がとても大きくあります。いつも気さくに話かけてくれたり、私が仕事で失敗したときや、事務所に帰るのが遅くなったときは、先に帰らず待っていてくれたり……。仕事終わりによく飲みに行って語り合ったのもいい思い出です。
先輩にしていただいたことを模範にして、私自身も成功も失敗も一緒に味わいたいと考えていますし、受けた恩を後輩をはじめとする周りの人々へと返したい、そんな気持ちでいます。
だからこそ、「明日を、動かす。」というコニシ産業の企業理念は、今まで自分を動かしていただいた恩をお返しすることなのではと捉えています。
社長や先輩や後輩、お客様やメーカーの担当者など、周りの方々に感謝しながら、営業の枠にとらわれず、自分ができることを精一杯返していきたい気持ちです。私に出会っていただいた方の想いを乗せて、未来を動かす人として。