【冴木鐘植】新規事業のリーダーとして挑戦を楽しみ、次に続く若手に道を作っていきたい

明日を動かす人たち

特集 WEBマガジン 明日を、動かす

KONISHIのコーポレートミッションである、「明日を、動かす。」

この言葉に想いを乗せて、未来に向けて挑戦している社員一人ひとりを紹介する企画が、「明日を、動かす人たち」です。

今回紹介するのは、新規事業部にて副部長を務めている冴木鐘植(さえき しょうしょく)。彼は過去、現在のステージでどんなことを感じ、どのように仕事に向き合い、未来にどんな展望を抱いているのか……冴木の等身大のストーリーをぜひご覧ください。

知らないことだらけの毎日は、学びの宝庫

2017年、新規事業部のリーダーに抜擢され、最初は何をしたらいいのか見当がつかずに手探りの日々でした。というのも、今までの私はOA業界に向けたベアリング、樹脂製品、電装・光学部品などの営業担当や、中国拠点の責任者を務めるなど、新卒から一貫して弊社のメイン事業に携わっていたからです。新たな事業の柱を作る挑戦に制約条件はなく、あえて言うなら“何でもやっていい”。そのスケールの大きさが、逆にどこに目を向けて何から手をつければいいのか当時はわからない状態になっていたのです。

そのため最初の仕事は、市場のニーズを探るためにインドで開催された展示会に出展することでした。目的は現地の日本法人の担当者とつながり、当時扱っていたある製品を販売すること。しかし、待てど暮らせど日本人と会えず時間だけが過ぎ、半ば諦めかけていた時、日本の金融業界の担当者の方と名刺交換をしてお話しできました。帰国後、オフィスへと足を運んでお見積もりを送ったところ、既存製品よりコストダウンにつながるということで次々と受注をいただくことができました。インドでたった一人しか出会えなかった方を通じて新規契約ができた体験は、何がどう仕事に結びつくのかわからない事業の面白さをダイレクトに感じた瞬間でしたね。

その体験から時が経ち、現在の新規事業部の主軸は、船舶用ユニット・ソフトウェアの企画・販売になっています。実際に製品がリリースされる2025年頃に向けて、メーカーのご要望をお聞きしながら二人三脚で開発を進めております。一般的にリリースされてから10年位と長いスパンで使われる製品なのでこんな機能を搭載できるといいねといった未来目線で企画・開発に携わるのが大変であり面白いところです。

今まで経験してこなかった、このような仕事を50歳を過ぎてから担っていますが、苦痛に感じたことは一度もありません。私は”何からでも学ぶことはある”を仕事の価値観として持っていますので、むしろ知らないことだらけの日々はとても新鮮で、この年齢になってこんな働き方ができる環境に感謝の気持ちでいっぱいです。

今の自分がいるのは、プライドより大切な誠実さを学んだから

今でこそ柔軟な思考でものごとを捉えられるようになりましたが、新卒で当社に入った頃はそうではありませんでした。営業職からスタートし、本社を含め3つの拠点を渡り歩いてきた中で、特に最初の頃は好き嫌いも多く、プライドも高い性格だったと思います。会社自体も、今は個々人の働き方や想いを大切にしていますが、当時は時代の雰囲気からも体育会系の営業会社といった雰囲気もありましたね。

そんな折、私の価値観を揺さぶる出来事が起こりました。部下の一人から「自分には今の仕事が合わないかもしれません」と正直に相談され、語弊無く言うと“部下を守りたい”という気持ちがそのときに初めて芽生えたのです。私の経験の浅さから、相手のことを今まで考えられていなかったという反省もあり、それからは彼に寄り添い、コミュニケーションを増やしたり、趣味などを通じて性格や考え方を知る努力をしたり、自分ができる最大限のアドバイスを伝えたりもしました。

これからも同じ職場で一緒にやりがいを持って働き続けて欲しいという強い思いが、自分の心の持ちようまで変えてくれたのです。この体験が自分の人生のターニングポイントだと言っても過言ではありません。常に人や仕事に謙虚であることの大切さにも気づけました。

その後、中国へ海外赴任を経験し、日本とはまた違う文化や働き方、コミュニケーションの取り方などを学びました。中国で一緒に働いていた現地の仲間は、知らない土地で私に万が一危険なことがあってはいけないと、仕事が終わると毎日一緒に食事をしてくれて、食事代は毎回交代制にしましょうとまで提案してくれました。現地のスタッフの優しさに触れられたことは、自分にとって本当に良い経験でした。この国の人はこうだと先入観を持たず、常に謙虚に接していたことで心を開いてくれた仲間がいたり、採用担当として現地スタッフを面接する際にもその視点は役立ちました。

中国では日本よりもコミュニケーションが密だったこともあり、2018年に帰国した際は、人に馴れ馴れしくなりすぎていないかが心配で、しばらくはひっそりと仕事をしていたことを今でも覚えています(笑)。その後すぐに新規事業部に関わることになったので、今はキャリアの長さや海外勤務の経験がとても活きていると感じます。

前向きの言葉を頑張る活力に変え、前進あるのみ

社歴は長い私ですが、「明日を、動かす。」という新しい企業理念ができたのは印象的な出来事でした。タイミング的に、新規事業部に取り組んでいるときだったので、「これは私のための言葉だ」と前向きに捉え、頑張る活力にもなりましたね。

社長の本保は「みんなに社長を目指してもらいたい」とよく言うのですが、事業の軸が1本だけではなく複数あれば、働く人の選択肢も増えることになりますよね。

その役割を担える新規事業部も、2023年の6月から新たに社内の若手メンバーが一人加わり、今は3人体制になりました。本来の私はフォローに回る動きが得意だという自覚があったのですが、新規事業の発展を目指し自らアクションを起こし続けることが求められていますし、次に続く若手に道を作っていけたらという思いに変化しています。

このように年齢を問わず挑戦している姿勢を見せて、結果的に、新たにコニシ産業を知るお客様にも、求職者や就活生の方にも「面白そうな会社だな」と感じていただけたら嬉しいですね。常にフレッシュな気持ちで前進あるのみの毎日なので、これからも出会った人の想いを乗せて、明日を、動かしていきます。