対話と交流の場から、明日を動かす。大東文化大学写真部 × コニシ産業 共同プロジェクト『NoPla』座談会

CEO本保アンテナ

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特集 WEBマガジン 明日を、動かす

KONISHIのコーポレートミッションである、「明日を、動かす。」

この言葉に想いを乗せて、コニシ産業株式会社 代表取締役社長の本保敏広とゲストとの対話から、お互いの価値観や、これからどんな未来(明日)を作っていきたいのかといった前向きなメッセージを、読者の皆さんにも発信しています。

第6回目となる今回のゲストは、大東文化大学写真部の皆さん。2023年3月、新潟県石打丸山スキー場にて開催された第20回全日本スノーボード技術選手権大会において、コラボレーションプロジェクト『NoPla』としてブースを共同で出展したご縁から生まれた座談会になります。

本保と学生の皆さんとの「対話と交流の場」からどんなストーリーが生まれるのか……ぜひご覧ください。

スノーボード大会に撮影班として参加した感想

本保:「全日本スノーボード技術選手権大会」に『NoPla』としてブースを出店するのは、昨年の2021年大会から3回目になります。大東文化大学写真部の皆さんは、当日参加してみていかがでしたか?率直な感想を教えてくださいますか。

男子学生1:僕は昨年に続き2回目の参加だったので、1回目より明らかに充実度が増しました。慣れもあったかもしれませんが、それ以上にいろいろなことができて、自分自身の成長を感じられました。

女子学生2:私は今年初めて参加だったので、正直な感想を言うと忙しかったです。大会の撮影だけではなく写真の編集作業もあったので予想以上に時間がかかりました。

でも、2日目以降は自分たちでできることが増え、あとはもう楽しもうと思ったことで、結果的に良い経験になりました。

男子学生2:僕は動物を撮りたいと思ってカメラを始めましたが、人を対象にするとポーズをとってくれたり笑顔を見せてくれるのがいいなと思いました。動物って気まぐれなので、そういったところが楽しかったです。

女子学生1:私たち写真部は、撮影のためにいろいろなところに行きますが、1日中カメラを持って、あの量の写真を撮影した経験は全くなかったので、それも新鮮な体験でした。

女子学生2:1日でカメラのメモリ容量がいっぱいになったよね。そこから、いい写真を選別する作業がまた大変でしたが、まだ私たち自身経験が浅いので、少ない撮影枚数で良い写真を選ぶのは難しいんです。それならたくさん撮れば良いショットがあるかもしれないという気持ちで挑みました。

本保:皆さんの撮影した写真は、コニシ産業のHPでも掲載しています。とても素晴らしい写真ばかりでしたよ。

【アルバム】第20回全日本スノーボード技術選手権大会

本保:大変だったこともたくさんありましたよね。楽しむことはできましたか?

女子学生3:コニシ産業の社員の方と大会前から関われたのが楽しかったです。

女子学生4:私は社会人の印象として、部下が上司に従って働くイメージがありましたが、コニシ産業はみんなが主体的に動いていると感じました。大学は看護学部で、普段は全く会社員の方と接する機会がないので貴重な経験ができました。

男子学生4:私は親が会社員なので、人間関係や働く厳しさを聞いていて、社会人になるのは大変なイメージを抱いていました。しかし、今回のプロジェクトに関わりポジティブな印象に変わりました。コニシ産業の方はいい意味でノリがよく、全員が仲がよく感じたのが意外な発見でした。

男子学生3:沖縄料理屋での決起会の時、あそこでみんな仲良くなれたと感じました。昔は社会人って完璧で何でもできる印象がありましたが、子供心も忘れず付き合ってくれたので、打ち解けたと思います。

本保:一緒にごはんを食べて、お酒飲んでというのは大事だよね 。コニシ産業は会食の機会が多い会社ですが理由は一緒です。お客様や仕入れ先の方々と仲良くなるには、パソコンのモニター越しに話すのではなく、一緒に時間を過ごした方が仲良くなるってことが多いんですよ。

失敗を前提に経験を積ませる、その意味

男子学生3今回『NoPla』というプロジェクトの企画や運営に参加する社員はどうやって決めたのですか?

本保:『NoPla』は、コニシ産業の社員育成プロジェクトみたいな側面もあり、関わるメンバーは、全社員の中から「この人をこんな風に活躍させたい」「次はこういうポジションにしたいのでこういう役割を経験させたい」などの意図をもとに選んでいます。

特に『NoPla』のスノーボード大会の取り組みは、準備や当日の運営を含めて数か月の時間を使います。普段の仕事を抱えながら対応するのは大変なことですが、今後その人が管理職や役員になったり、20代の人がキャリアを積んで50代になった時に役立つ価値観が芽生えたりと、長期スパンの人材育成プロジェクトとして考えています。

全ては交流の場であり、研修の場でもある

女子学生2:今回の『NoPla』は、コニシ産業のいろいろな部署の方が集まったプロジェクトなんですか?

本保:そうですね。例えば、管理職もいれば、管理部門や営業をやっている社員もいるし、新入社員もいます。中間管理職もいれば、昨年は受発注担当の社員もいたし、普段は本社、取手営業所、厚木営業所などバラバラで働いている人が集まりました。

女子学生2コニシ産業の皆さんは普段から一緒に働いている前提で参加していると思っていたので、社内の皆さんの交流の場にもなっているとは知りませんでした。

本保:仕事の中で魅せる顔とはまた違ったりするので、こういう活動には人の本質が出てきます。コニシ産業では、『NoPla』以外にも人材育成に関わる様々な取り組みを実施しています。例えば、アウトドア研修は、チームで行動する力を見るのに最適な場です。管理職だからといって、テントを張って料理を作る際にも普段と同じようにリーダーシップを発揮できるとはかぎりません。その時々の状況において、誰にどのような担当をしてもらうか、必要なものが何かを考え動かないと、皆が付いてきてくれないのです。コニシ産業の研修ではあえてこういうことを体験してもらいます。

譲れない価値観を意識しながら、仕事を選ぶ

男子学生3今回のイベントに関わる人は、何かを作るのが得意だったり、気の利く人がいたりと、ちょっと苦手なことがあっても他にすごいことができたりと、長所を活かすのが大事だなと思いました。

本保:人は粗探しをするというか、欠点を見つける傾向にあります。あの人のここがダメって言うのは簡単でしょ。そうではなく、相手のどこを伸ばしたらいいか仮説を立ててみたり、他人とは違う視点で良いところ探しができる能力を身につけたら素敵だと思います。

女子学生1:短所は長所って言いますよね。

本保:物事は裏表ですからね。瞬間的にある一点だけを見てそれがいいとは限らない。良い所が出てくるまでって時間がかかるから、定点観測をしながら待てるかどうかが大事ですね。長い目で見続けると、欠点だと思っていたのが長所だったり、瞬間だけ良かったけどまだだったりといろいろわかります。

男子学生1:コニシ産業の研修や今回のプロジェクトが、まさにそうですよね。

本保:そうそう。コニシ産業は何回も人を見続けます。それも失敗することを前提にして。


男子学生1
:その点で言うと、社員一人一人の顔と名前が一致している会社っていいなと思っています。アルバイトではスーパーマーケットで働いているんですけど、その会社の社長の顔も全くわからない中で働くのと、しっかり顔も名前も一致して働くのとは、全然違うなと。

本保:就職活動は自分の生き方にあっていることが一番大事だと思います。スーパーマーケットは全国で何万人もの人が働いていて、その人の家族も含めると数万人の生活を支えている組織かもしれません。それはすごいことです。でも、皆さんの生き方にあっているかという視点で見ると、会社の規模感や場所、自分の性格などからして違う場合もあるかもしれません。

よく就職活動では自己分析が大事だと言いますが、自分は何を大切にしているかの方がもっと大事だと思います。例えば、極論としてお金と家族どちらが大切か、貧乏でも家族がいれば良いのかなどですね。もちろん両方大事ですが、その中でも最後まで突き詰めた時に何を一番大切にしたいかというイメージです。

男子学生2:優先順位ってことですね。

女子学生2:経験しないとわからないかも。お金がない経験をした人は、それが判断材料になりそうです。

本保:経験がなくても、何かを選ばなければならない日がやってくるかもしれないよ。できればお金がいっぱいあった方がいいし、幸せに暮らしたいし、皆と仲良く暮らしたいし。でも、そういかないことがリアルな生活の中にあったら、優先順位をどうする?って話です。欲張りじゃない人はいないでしょ。

コニシ産業も一番大事にするものは変わっていきました。私たちが一番大事にしているのは「出会った人の想いを乗せて、明日を動かす」ことです。

女子学生2:出会った人と言うのは?

本保:一番目は社員とその家族。2番目はお客様や仕入れ先。3番目が当社のビジネスを支えてくれているありとあらゆる会社や個人。

社会に目を向けると、戦争がない平和な世の中になって欲しいし、決して社会貢献がダメなわけじゃないけど大事なものの順番をつけたのです。

みんなも価値観を大事にして生きてもらいたいです。あるでしょ!?譲れないこと。

女子学生2:いろいろなものを俯瞰して見ないと、優先順位が決められないかもしれません。例えば、個人の価値観だけで部活を動かそうとすると、ダメになりそうです。

本保:部活と企業はそこはちょっと違うかもしれないね。部活はこっちの方にいきましょうといって集まったメンバーではないけど、会社組織はこれが大事なんだというミッションやビジョンに賛同して集まったメンバーになるので。例えば、私の考えが嫌だと思った社員は離れていくし、絶対に戦争で困っている人を助けたいという人も違う活動を始めるかもしれない。私は社員が一番大事だから、その価値観が違う人は離れていきます。結婚に近いかもしれませんね。

女子学生1:まさに、マッチングですね。

本保:そうそうマッチングです。

社員と学生が一緒に取り組める活動を、今後も

男子学生3本保社長は、『NoPla』の活動で一番嬉しかった瞬間はどんな時ですか?

本保:『NoPla』のブースで学生の皆さんがカレンダーを販売していた時です。なかなか売れず、断られ続けていたにも関わらず、心を折らずに続けたからこそ、やっと売れた時はとても嬉しかったですね。そもそもスキー場でカレンダーを欲しいと思っている人はいないので、断られるのが当たり前です。それにも関わらず、みんなめげずに声をかけていましたよね。そのくじけない姿勢が実り、買おうって思ってくれる人が目の前に現れた時が嬉しかった。きっと皆さんの熱量が伝わったんだと思います。

男子学生3:僕も同じです。大会の決勝戦の最中に親子連れの方が来たので、お菓子をあげました。「なんで無料なの?」「なんで大学生がいるの?」と聞かれたので、カレンダーを販売している目的を話したり、利益を求めているわけじゃないんですと伝えた時に、値段を聞く前に「買います」と言ってくれた時が一番嬉しかったですね。涙が出そうなくらいに。こんな体験はなかなかできないし、やって良かったなと思いました。

女子学生3:撮影組はブースにいることが少なかったので、この話が聞けてよかったです。

女子学生2:私もブースに入れたのはいい経験でした。生身の人間と話すことは、カメラのレンズ越しではわからないことも多いからです。「ありがとう」と言ってもらえた時はすごく嬉しかったですね。私たちが撮った写真に対しても「自分の写真があって嬉しかった」と言われたので、写真を通じて人に喜んでいただけるんだとわかった初めての体験でした。

本保:こういう経験ができるのは人生にとってもすごいプラスだと思います。もちろん、コニシ産業にとっても、写真部の皆さんがいてくれたおかげでこのプロジェクトがうまくいったので、自信を持ってもらいたいです。

男子学生1:今後の『NoPla』の活動はどうなりますか?

本保:まず、『NoPla』というプロジェクトがなくなることはありません。ただ、今後も必ずこの内容の活動をするということも決めているわけではありません。可能性は無限大です。

今日話したように社員育成の場にもなるし、学生の皆さんとも一緒に取り組める活動なので、会社としてもとても有益だと感じています。形は変わるかもしれませんが今後も継続していきたいと思っているので、大東文化大学写真部の皆さんとも引き続きご一緒できると私たちとしても嬉しいです。